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先週、そんな環境の中読んだのが、村上春樹『ねじ巻き鳥クロニクル』(新潮文庫)だ。この作品は、いつか読んでみたいと思いつつ、忙しいからという理由で(何せ三冊もあって分厚い)、又楽しみを先延ばしにしたいという理由で、村上春樹の代表作という声もあるにもかかわらず、今まで読んでいなかったのである。
さて、私の印象は、『羊をめぐる冒険』で探求された、日本社会の現代性というものの深淵を、象徴的にノモンハン事件に置いているように思える。ノモンハン戦争で生き残った老占い師は、無惨にも死んでいった仲間のことについて主人公のオカダトオルに語る。一方で、無茶苦茶な指揮をした参謀たちは罰せられることなく中央に還って出世して行った。私の見方では、この参謀たちの系譜に、ある程度形は変えているものの、宿敵として綿谷ノボルを置いている。 綿谷ノボルは、主人公のオカダトオルの妻の兄である。彼は優秀な経済学者であり、評論家であると世間では見なされているが、主人公は、綿谷ノボルに何か邪悪な力を感じ取っている。法律事務所を辞めて、ぼんやりと日々を送る主人公は、綿谷ノボルとは対照的な存在として描かれている。ストーリーのポイントを一言で言ってしまえば、主人公と綿谷ノボルの、精神的な闘いということになると思う。あるいは、非ノモンハン的な思想と、ノモンハン的なそれとの闘いというべきか。 <続く>
by evianetvian
| 2010-02-17 17:42
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