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綿谷ノボルは、厳格で杓子定規な官僚の父親のもと、「日本は一見民主主義だが、本当は競争社会であり、強い者だけが勝ち残る」と徹底的に叩き込まれ、いびつに育っていく。成長し、やがて経済学者となるわけだが、私が知る範囲では、東大出の学者の多くは、確かにこんな感じである。
『ねじまき鳥』では、綿谷ノボルは売れっ子の経済学者になって、テレビによく出るようになり、しゃべりも服装も洗練されていくのだが、しかし、こういう研究者は実際には中々いない。野暮ったい人は、売れても野暮ったいままであり、洗練されている人は元から洗練されているという気がする。 私の両親は、世間知らずと言うか、どこか抜けた所のある人たちだったので、「勉強して良い大学に行きなさい」とか「良い会社に入りなさい」とか言われたことは、ほとんどない。良くも悪くもノビノビと育ってしまった。したがって、私自身は、どちらかと言えば、本来、岡田トオル型の人間である。 『ねじまき鳥』の中で、綿谷ノボルは、岡田トオルを徹底的に嫌悪するが、私も、東大出の学者の一部に似たように嫌われている。岡田トオルは、綿谷ノボルの正体を知っていて、それが致命傷になるからなのだが、私の場合も結構それに似た関係である。つまり、私は、ナレッジ・マネジメントなどの研究から、これまで一般的に知性と呼ばれている以外の「知性」について研究しているので、東大を出て自分が一番だと思っている人間には甚だ都合が悪いのだ。 それはやや専門的なのでさておいて、兎に角、私は主人公の岡田トオルに共感して『ねじまき鳥』を読んだ。主人公だから、まぁ当たり前と言えば当たり前なのだが。 しかし、私の年代の人たち、少なくとも有名大学を出て有名企業に入っているような人は、綿谷ノボル的な側面も少なからず持っていると思う。その意味では、綿谷ノボルと主人公の対決というのは、内にある邪悪なモノ(『ねじまき鳥』の中では少なくとも)との対決という側面があると思う。
by evianetvian
| 2010-03-03 16:24
| 読書
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