by evianetvian カテゴリ
全体 当カフェのご案内 映画・テレビ 男と女 音楽 カフェ・レストラン クルマ 建築・インテリア 仕事 時評 スポーツ・(不)健康 読書 北海道生活 旅行・留学生活 Profile Macintosh 海老庵先生 今日のベリーちゃん 以前の記事
2014年 10月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 more... 最新のトラックバック
ブックマーク
フォロー中のブログ
(旧)京都・哲学の道案内... Entrepreneur... 【フランス落書き帳】ht... La vie en rose? +++ A to Z... おべんとたべよ 北イタリアの風景 象と蠍と猿の飼育日誌<ブ... La Roma e` s... きままなクラウディア ビジネス・コミュニケーシ... The World Ac... テンロクコンパクトブログ RESULT blog 内澤旬子 空礫絵日記 ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
アンケートを行ったところ、授業で行ったディベートは、(近い将来役に立つという観点から)「良い」と「たいへん良い」を合わせて87.5%に達し、「悪い」はわずか2%以下と、好評だった。
日本で、ディベートをやると言うと、次のような批判がよくある。 ・悪徳弁護士のような、レトリック(修辞)に長けて悪用する人間を育成するのではないか。 ・(本質論に至らない)揚げ足取りに終わるのではないか。 最初のものは、正直言ってあり得る。だから、「倫理」に関する科目が、高校や大学にあってしかるべきだと思う。たとえば、刃物をどう使うか、料理に使う分には問題ないが、殺人に使うのは善くないのだということを、ディベート(これも社会的刃物である)等に関しても学ぶ必要があるだろう。 一方、二番目の、たんなる揚げ足取りに終わるというのは、ディベートのやり方を工夫すれば、実はかなり防げることがわかった。かえって、ディベートの訓練がないから、国会や、ビジネスの現場で、くだらない揚げ足取りや、声の大きい人が勝つという現象が横行していると私は見ている。 それでは、ディベートの効用を挙げよう。 (1)時として、自分の本来の立場とは違う視点に立つことによって、自分とは違う意見の人の思考を想像することができる。これは、異文化を認め、思いやりを持つことにつながる。 (2)論理的思考を磨くことができる。(もっとも、これはやりかたを間違うと上で書いたような揚げ足取りにしかならないので、工夫が必要かもしれない) (3)プレゼンテーション(スピーチ)の練習になる。同じ内容のことを言うのでも、言い方、表情によって、大きく説得力は異なってくる。説得力を持つ話し方を身につける訓練になる。 (4)自分で調べて、なおかつ相手を論駁しなければならないという想定から、生きた知識を身につけやすい。(上から一方的与えた知識は、忘れられやすい) (5)楽しみながら(これは意外に大事)、上記のことを学習できる。 というわけで、やり方さえ気をつければ、ディベートは、かなり良い訓練になる可能性がある。 (1)の効用は、基本的な倫理を持った人間にとっては、最初に書いたネガティブな意見を打破できる。日本(&その他の地域)では、自分と違う意見の人に対して、「人を人と思わない」態度で扱うことがあるが、ディベートの訓練等によって、かなり緩和できるだろう。 斎藤孝氏の『コミュニケーション力』(岩波新書)でも、冒頭に挙げたようなネガティブな意見(反対立場に立つことは青少年の心を捩じ曲げる)が出てくる。だが本当は、工夫さえすれば、斎藤氏が弁証法の箇所で挙げているような、相互に高め合う関係を作ることができるのだ、ということが今回の授業でわかった。 <注> 今回行ったディベートは、アメリカの標準型であるが、論理的思考に関する事前準備などをしてもらっている点等が、一般と違う。世間一般に行われている、いわゆる「ディベート」に関しては、マイナス面の方が大きくなるということは、大いにあり得ると思う。
by evianetvian
| 2005-07-04 19:12
| 仕事
|
ファン申請 |
||